Maxine Funke “River Said” LP

ポロポロとギターを爪弾き、フフンと歌えば何となくフォーク風な物が出来上がる。作りやすい表現だからこそ、甘ったれた連中のセンスの無さが最も露呈される。もちろんそれはフォークに限らず、インディにもダンスにもアンビエントにも、私の人生にも全く同じことが言えます。ニュージーランドの特別なシンガーソングライターMaxine Funke、昨年の素晴らしかった編集盤を経ての2023年新作アルバム。オーセンティックなメロディの良さを持ちながらも随所に姿を見せる奇妙なワイアード感、メランコリー。このレコード前では安らぎも涙も必要無い。淡々とした中に垣間見える狂気が最もヤバいと改めて思わされる、アンビエント、アシッド・フォークの名作。何度でも何度でも言いますが、この歌声は彼女以外からは得られない物です。